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今さら聞けない!ウールのあれこれ2 [素材]

前回の続きを書いていきます。


実はウールという素材には2種類あります。
梳毛紡毛です。

☆梳毛と紡毛☆
梳毛とは、短くて羽毛の少ないクリーンな糸です。
紡毛とは、表面のふわふわした毛羽立った印象の太い糸です。

二つの違いは羊毛の長さにあります。
梳毛は繊維の長い羊毛を使って作ります。
紡毛は繊維の短い羊毛を使って作ります。

これが仕上がりの違いに繋がりまる。
梳毛は表面がなめらかで素肌にも心地よい
サラサラな肌触りの生地になります。
紡毛は表面が毛羽立っていてウールらしい
温かみのある生地になります。

二つは特徴が違うので時期によって使い分けると良いです。
梳毛はサラサラしているので
冬よりも夏・秋・春向きです。
紡毛は暖かいので冬向きです。


ウールにはある呼び名があります。
それは・・・
☆生きている繊維☆
ここからは細胞の組織の話になりますが、
ウールはうろこ状の表皮部分の「スケール」と
皮質部分の「コルテックス」で構成されています。

スケールには水をはじく性質があります。
コルテックスには吸湿性があります。

スケールコルテックスの2層構造になっていることによって
それぞれの性質を活かしています。

ここに熱や水分が作用することで収縮差が生じます。

この収縮さによって繊維に「クリンプ」と呼ばれる縮れが生まれます。
この縮れが素材に弾力性と保湿性を持たせています。

クリンプの伸縮によって吸湿と乾燥をすることを
ハイグラルエキスペンションと呼んでいます。
必殺技みたいですがハイグラルエキスペンションによる
水分吸収と発散の動きをすることが
まるで呼吸をしているみたいなので
ウールが生きている繊維と呼ばれている証拠なのです。


ここで特徴をまとめてみます。
☆メリット☆
・保湿性と保温性が高い。
・しわになりにくい。
・伸縮性と弾力性があるので丈夫。
・抗菌・消臭機能がある。

☆デメリット☆
・洗うと縮んでしまう。
(なので、ウール製品はクリーニング必須です。)
・虫の被害を受けやすい。
(しまっておくときは防虫剤必須です。)

ウールが苦手という方に多く言われる理由が
「肌にチクチクするから。」です。

実はこのチクチクはウールだからチクチクするわけではありません。
太い繊維の端が肌に刺さるからチクチクするのです。
つまり、アクリルやポリエステルでも太い繊維だとチクチクしてしまいます。
ちなみに30ミクロンよりも太いとチクチクを感じるようです。
(30ミクロンってどんなもんやねんって感じですね・・・
実際ミクロン単位まで書いてある製品はほぼ無いです。)

そんなチクチクが苦手な方に朗報です。
解決策があります!

太い繊維がチクチクさせているので・・・
細い繊維にすればいいのです!!

序盤に紹介した梳毛です。
最近は技術が向上してきているので
梳毛でも冬に暖かく着れるものもあります。


管理が難しかったり肌に合わないという
マイナスイメージを受けやすいウールですが、
管理の仕方と自分に合った素材で選ぶことによって
デメリットなど気にならなくなります。

やはり、ウールは見た目も冬らしい雰囲気が出るので
是非この記事を参考に自分にあったウール製品で
冬ファッションを楽しんでください。

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今さら聞けない!”ウールのあれこれ [素材]

季節がどんどん冬へ向かっています。
冬は寒い季節ですので、
出かけるのもめんどくさくなってしまいます。
(こたつから出られないなんてことも・・・)
子供のころは気温なんて関係なく
元気に外で遊んでいたのになぁ
と考えていたら
親に「セーターを着ていきなさい!
ウールでできていてあったかいから!」と
言われていたことを思い出しました。
そしてそのころに感じた疑問・・・

ウールってなんだ?

ということで今回は
少年時代の僕の疑問を解決すべく
ウールについてあれこれします!


☆ウールは誰の毛?☆
woolとは英語で「羊毛」という意味です。
羊毛とは文字の通りに「羊の毛」です。


☆人類と羊の歴史☆
中央アジアの南西部に
トルクメニスタンという国があります。
この国にはアナウ遺跡という場所があります。
アナウ遺跡は紀元前3000年頃に
農耕集落として利用されていた
人類最古の遺跡です。
この遺跡で羊の骨が発掘されています。
このことから、かなり昔から羊と
人間が共に暮らしてきたことが解明されました。

そして紀元前2200年頃に
メソポタミア南部に暮らしていた
カルディア人が刈り取った羊毛で初めて
毛織物を作ったといわれております。

ここから、古代エジプト⇒ギリシャ⇒ローマへと伝わっていきました。
それが時代が進むにつれて世界中に広がっていきました。

現在では世界中で飼育されている羊の数は
約12億頭です。
(世界の全人口は約73億人なので
人間の約6分の1の割合で
羊が飼育されています。)

人類はこの長い時間をかけて羊毛を改良する努力を続けました・・・
そして、12世紀のスペイン大帝国にて
ある種類の羊が誕生しました。
それこそがアパレル用として最も代表的な「メリノ種」です。


☆メリノウール☆
最も代表的なメリノ種の羊毛は
繊維が細いので加工したときに
ソフトな肌触りになることから
衣料品に一番適したウールと言われています。

ちなみに、このメリノウールの中でも
特に繊維が細いものをつかった素材は
エクストラファインメリノ
と呼ばれており、
高級スーツや最高級のニットに使われています。
(良質なメリノウールの中から約10%しかとれない。)
さわり心地は最高に良いです。
ユ○クロさんからも発売されているので
試しに触ってみてください。


文章が長くなってきましたので2章に別けようと思います。
もしよろしければ、続きもご覧下さい。
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